にこちゃんでんでんーASDと気楽に歩くー

ASD傾向のある息子にこちゃんと一緒に成長したい私。

この世を好きになってもらう事。それが自立への第一歩だという話。

 

今回は、漫画ではありません。

今後、漫画にこだわらず文章や絵日記的なもの等、思いを形に出来れば何でもアリで綴っていけたらなぁと考えています。

 

私のTwitterで、イイネをたくさん頂いた呟きがあります(言うて木っ端アカウントなので確か900くらい)。

内容は、ちょっとうろ覚えではありますが

「幼児期の育児で一番大切なのは”この世を好きになってもらう事”だと思います」

的なもの。

「“ここで生きたい”と思えるからこそ、つらい事にも立ち向かえるのだと思います」

とも書きました。

常日頃思っていた事を、140文字以内に収めるのって難しいなーと思いながら呟いた言葉。思った以上にリツイートされ、色んな方に賛同して頂けて嬉しかったのを覚えています。

 

 

 

生きる力ってなんでしょうか

生きる力。こう聞いて、あなたはどんな事を思い浮かべますか?

発達障害に関する本を読んでいると、将来どうやって食べていくか、という話がよく話されています。親御さんの関心が高い内容でもあると思いますし、大切な事ですね。

これもまさに社会を生きていく力なのですが、今日お話ししたいのはそれよりも前の段階と言いますか。人間関係や社会のルールを覚える事……よりももっと手前、最初の土台とも言うべき事についてです。

育児の困り事。その対処法の情報は沢山ありますね。育児のあるある系の困り事に対する物も、発達障害の特性でよく見られる様な困り事に対する物も。昨今では書籍、SNS、動画等で情報が広く共有され、毎回うまくいかずとも、解決出来る事もありますね。

「子供にお片付けをしてもらうには?」「外出先で癇癪を起こしたら?」等、「こんな時はこうしましょう」といった情報は割とすぐに見付けられます。

日々子供と関わり生活する中で、とても大切で役立つ情報です。私も何度も助けられました。ですが今日お話ししたいのは、そのもっと手前の段階なのです(2回目)。

 

社会性よりも手前のこと

子供は少しずつ親の手を離れていきますね。幼稚園・保育園への入園で物理的に離れる時間が増え、小学校に上がると大人に見守られる時間も減っていきます。身の回りの事を自分でする様になり、子供同士のやりとりに大人が介入する機会が減っていき、社会での振る舞いについても覚えていきます。

さて、この成長を大人が見守るのは当然ですが、子供が困難に直面した時に必要な事はなんでしょうか。

問題が発生したとき、原因を究明し解決に向けて知恵を貸す。何がいけなかったのか、他にどんなやり方が良かったのか、解るように伝えたり一緒に考える。

とても大切ですね。ですが、何度も言いますが今日のお話はその手前の段階です。

 

子供が何かを望むこと

そう、ここでお話ししたい大切なこととは、子供自身が何かを望むということ。

大好きなお友達に悪いことをして怒らせてしまった時、仲直りしたいと思えるか。何かに興味を持った時、もっと知りたいと思えるか。それを大人に伝えたり自ら調べる等行動を起こせるか。欲しい物を見付けた時、欲しいと言えるか。もっと言えば、何かに興味を持てるか。極端に思えるかもしれませんが、これが好き、これが楽しいと思えるか。

この、内側から湧き出る要求。そしてそれを叶えるために行動を起こすと言うこと。

これこそ、一番基本の生きる力ではないか、と。私はそう思います。

好きなことを楽しみたい、興味のある事をもっと知りたい、難しくてもやり遂げたい、人と関わりたい。だってこの世は楽しいから。問題があれば解決したい、解らない事は勉強したい、そうすればもっともっと楽しい!

 

成功ばかりではないけれど

勿論、大人になるにつれて、解決出来ない問題にも出会います。努力が報われないと感じる場面もあるでしょう。そんな時は休んでいい。ゆっくり心と体を休めて、やがてまた歩けばいい。そんな挫折や休息を自分で許せる力もまた大切です。

私達大人が日々頑張れるのはなぜでしょうか。何かを守りたい。何かを得たい。嫌なこと、辛いことから逃れたい。色んな思いを抱えながら、それでも歩くことを辞めないのは、その先に希望があるからです。

この世界には辛いことが沢山あるけど、希望も間違いなくある。そう思えるように、子供と供に歩みながら、世界のとらえ方を歪めないように見守るのが周りの大人の役目ではないかと思います。

よく「自己肯定感が大切」「子供に成功体験を」と言われるのは、こういう事だと私は解釈しています。

 

目指している自立とは

生きる力を得、自立していく。ここまでくれば、経済的自立の話ではない事はお分かりいただけると思います。勿論それもとても大切な事です。その点を一番心配されている親御さんも多いでしょう。逆に言うと、その点を心配する所まで辿り着いた方だとも言えると思います。

だって私はまだその手前、息子の土台の心配をしているのですから。

親がしてやれる事はこれからどんどん減っていくのだなと思った時、息子に絶対に手放さないで欲しいと思うのが自分を肯定することです。

あなたは好きな事を追求し、嫌な事を断り、学び、生きる事を楽しむ権利がある。

この世の素晴らしさを謳歌する権利がある。

それを忘れないで欲しいです。

自分の苦手にも向き合う必要があります。完璧ではない自分を受け入れる強さは、やはり自分を肯定し祝福された経験から得られるのではないかと思います。そしてそんな人は周りの人間の弱さにも寛容です。

私は今、息子が自分を否定しないよう心配しながら寄り添う日々です。

周りとの違いに気付き始めた息子は、いつの間にか「他の子が出来ていることは自分も出来ないとダメ」と思い込んでいました。

決してそんなことはありません。息子の得意なことも沢山あるし、苦手と言っても息子の長所でもある事も多いのです。

周りと同じように頑張りたいと思う息子を応援したい気持ちと、ダメじゃないんだよ、という気持ちで迷う事もあります。とにかく息子の気持ちを尊重しつつ、その挑戦に無理がかかりすぎていないか観察しながら見守っているつもりです。

私は、息子に伝えたい事が沢山あります。周りの子は決してあなたを囲む「集団」ではなく、一人一人違うこと。それぞれに得手不得手があり、個性があること。あなたもその一人であること。

今はこんな事を言葉で伝えても、伝わりません。難しいし、まず長い話は息子の集中が持たないです(笑)。

それでも伝え続け、息子が自分の個性を丸ごと肯定出来る日が来たら。それが、息子の自立の日なのだと、今から楽しみにしています。

 

ここまで読んでくださったあなた、ありがとうございます!